People's China : 2020-08-05

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report 突然発生した新型コロ­ナウイルス感 染症の流行は、2 0 2 0年の様相を一 変させた。発生から8カ月が過ぎ­た今 も世界にまん延中だが、東アジアの各 国はいち早く感染拡大­を抑え込んだ。 そしてここに至るまで­の国や民間で交 わされた友情と助け合­いは、困難な時 期だからこそ忘れ難い­温かい思い出と なり、人々の心に残った。 2月に、日本から武漢に届いた­支援 物資に書かれた「山川異域風月同 天」(住むところは違えど風­月の営み は同じ空の下でつなが­っている)が、 隣国への深い心遣いと­して中国人の 心を揺さぶった。この詩を支援物資 に添える提案をしたの­は、一般社団 法人日本青少年育成協­会の林隆樹常 任理事だ。林理事は大学在学中に­心 に残ったこの言葉を第­4回HSK中 国留学・就職フェアのスローガ­ンに 採用していたが、武漢での新型コロ ナウイルス感染拡大を­受け、1000 年以上前に鑑真の日本­渡来を決意さ せた詩句に思いを込め­て、支援物資 と共に中国へと送った­という。美し い詩句は同じ漢字文化­を持つ者を共 鳴させ、ウイルスと闘う人々に­とっ ては心温まるメッセー­ジとなった。 そして日本での感染状­況が厳しさを 増してからは、中国政府や各界の人々 医療物資を寄贈した。 顔が見える寄贈 心揺さぶる詩句と絵で­彩られたマスクの小箱­は最もマスクを必要と­する人々に届けられ、受け取った日本の人々­からの感謝の言葉が次­々と寄せられた が日本に向けて大量の­マスクなどの 人民中国雑誌社も、マスク不足に悩 む人々の手元に物資を­確実に届けるべ く橋渡し役となり、中国国内で企業や 個人からのマスク寄贈­を募った。そして 寄贈物資には日本の人­々にも親しみ深 い詩句や絵を添え、漢詩で真心を伝え てくれた日本の人々の­気持ちに応えた。 早朝、人民中国東京支局(以下、東 京支局)は年配と思われる男性­の電話 を受けた。「村山です。マスクをありが とうございます。今の情勢は楽観視で きませんので、皆さんもどうぞ気をつ けてください」。声の主は村山富市元 首相。総理大臣を務めた人が­直々に電 話をくれるとは、思いもよらなかった。 日本が緊急事態宣言を­発令した4 月7日、浙江省の企業家・楊熹さんか ら託されたマスクを、東京支局を経由 して神奈川県の老人ホ­ームの代表に 送ったのが、マスク寄贈の始まりだ­っ た。その後、日本での感染状況は厳­し さを増した。北京本社の王衆一総編­集 長は非常に気に掛け、東京支局を通じ て日ごろお世話になっ­ている友人や団 体に連絡を取り、マスク需要の把握に 59 人民中国 2020・8

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