内側からもスタイリング新しい男の美学レポート
新しいビューティーとフレグランスのコレクションが男性のグルーミング商品の世界に革命を起こしている。
「美というものは、性別の問題ではなく、スタイルの問題だ」とは、シャネルの男性コスメティックラインのローンチに添えられたステートメントだ。去年、このメゾンはトムフォードやマークジェイコブスに続き、男性向けコスメに参入した。カミソリやデオドラントなどの従来のグルーミング商品の境界を超えて進化を遂げた、アンチエイジングのスキンケアや、さらにはメイクアップなども含む、自分に合ったケア商品への男性のニーズに着目し始めたのだ。
アーンスト・アンド・ヤングは、男性のビューティー部門の世界価値は、2016年に480億USドルだったが、2020年までには610億USドルへと成長し(年間6.4%の成長率)このセクターにおいて最も活発な部門になるだろうという研究結果を発表した。もちろん、ビューティーといっても、メイクアップ商品だけのことを言っているのではない。最も人気のアイテムには、ヒゲや髪、フェイシャルやボディ用のクリームなども含まれている。商品は市場に溢れているので、男性顧客にグルーミングオプションを提案する場合、何もメジャーブランドに入れ込む必要はない。インディペンデントブランドも急増中だ。オランダのブランドThe Greyは、オーダーメイドのスキンケアラインを提案している。自然派で組織を活性化させる成分を含み、男性の肌にデトックス効果をもたらしてくれる。イタリアのブランド、Barber Mindは、ヒゲがクールさを表現するための必須シンボルになった流れを受け、いくつかの新製品を発表した。一つは、ストリートカルチャーにヒントを得たBebopという新ラインで、天然成分から作ったソープ、バーム、オイルなどで構成されるフェイシャルコレクション。また、強力なホールド力とマットな仕上がりを提供するIronClayというワックスも、ポマードラインの新製品に加わった。
フレグランス市場では、メンズ向け商品が36%のシェアを有しており、年間平均成長率は、2010年から6%だったが、今年は8%が見込まれている。ピッティ・ウォモやFragranzeでは毎年、優れたセレクションを見つけることができる。高品質の原料から作られたバスやボディケアのほかに、エクスクルーシブな香水のコレクションを提供するブランド、Morphも要チェックだ。前回の展示会では、Familia-Familiaというプロジェクトが初お目見えした。ジェンダーの垣根を取り払うことを目標に掲げており、ユニセックスの香水を製造。中には子供向けの商品もあり、「共存・共有」というコンセプトを高く掲げている。