ワードロービングとの戦いレポート
ワードロービングは、e-コマースセクターにおける長年の悩みの種だが、現在もリテールビジネスにダメージを与え、混乱を生じさせている。この問題を軽減する方法とは?
オンラインなどで購入した商品を、使用した後に返品して返金を受けるワードロービングという行為は、主に高額な「一度しか使わない」ような服に対して行われるものだが、アパレル業界に限らず、電子機器にも影響が及んでいる。2017年、全米小売連盟(NRF)は、約72%のリテーラーがワードロービングの犠牲者であると報告している。返品はリテール経営において弊害であり、倉庫管理とサプライチェーン、マーチャンダイジングに悪影響を及ぼし、相当数の中小企業にオンラインビジネスから手を引くことを余儀なくさせている。競争の激しい業界は、消費者を誘惑してコンバージョン率を上げるよう、e-ショップに返品ポリシーの提供を強要している。たとえ、郵送料と返品送料の負担を意味してもだ。この状況はまた、返品コストよりも高くつく、消費者からのマイナスのレビューのリスクを避けるため、ショップが破損商品をも受け入れる弊害を生み出している。Naked Labs、Body Labs、Virtusizeのようなスタートアップが提供する3Dボディスキャン技術で、正当な返品を減らそうというプロジェクトが進行中だ。だが、非正当なものに対処する方法は何だろうか? Checkpoint Systemsは、堅固な返品ポリシーを保証するのに役立つセキュリティタグを発表した。リテーラーは、商品にダメージを与えることなく素早く見えるところに「R-TurnTag」を取り付けることができる。そしてこのタグは、購入後に簡単に消費者が取り外すことができるが、一度タグが取り外されると、返品は受け入れられない仕組みだ。タグには、R-TurnTagが付いているものだけが返品可能な旨が明記されている。
このほかにも、返品ポリシーを修正することでワードロービングを減らすことができるかもしれない。例えば、ワードロービングの被害を最も受けている商品カテゴリーに着目し、戦略的に返品を拒否する。返品と同額の商品券を提供する。顧客に返品送料を負担させる。上顧客に限定して返品を許可する。または、マルチチャネルのリテーラーには、店内での返品を奨励するなどだ。明確な返品ポリシーを、FAQや決済ページ、配送パッケージに目立つように明記することも大切だ。もう一つの選択肢としては、顧客に購入予約料や初回注文料を課すことで、送料を相殺する方法もある。最後に、返品は予測が難しいものの、企業は優れた返品ポリシーを採用またはそこに投資し、Supply.AIのようなサプライチェーンの運営システムを覆すべきだろう。