メンズウェア注目のブランドブランド
AURALEE
FASHIONPRIZEOFTOKYO2019を受賞して、2019年秋冬のパリファッションウイークに初めてプレゼンテーションという形で参加した、Auralee。一見すると極めてシンプルなデザインながら、厳選した素材使いが、いかに仕上がりの上質さに大きく影響するのかを教えてくれる。デザイナー岩井良太は大学卒業後、服飾専門学校の夜間コースで服作りを学び、在学中からさまざまなブランドでパターンやデザインを手がけてきた。その実績をもって、2015年にブランドをスタートさせた。経験値の高さはデザインにも表れており、玄人好みのする洗練されたシルエットは東京のファッションシーンでも知られたところだ。ニューバランスのTokyoDesignStudioとカプセルコレクションを発表したりと、人気のブランドとのコラボレーションも行っている。時代の空気感を取り入れるのがうまく、世界中から吟味した上質な素材を用い、「毎日着られること」がブランドのスタイルだ。無駄のない立体的なシルエットは、結果的に着る者の個性をひときわ際立たせ、ブランドの象徴にもなっている。2019年秋冬シーズンもニットやコートなどアウター類がブランドのアイコニックなアイテム。直線的なラインとそれにフィットする選び抜いた素材を用い、色使いの絶妙さで仕上がりの佇まいが上質なものに。今年から取り扱いを開始した、ロンドンのメンズオンラインショッピングサイトMr.PORTER、スウェーデンのTrèsBienを始め、neighbor(カナダ)、Ecru(韓国)などで取り扱われている。ブランドスタート時から、メンズ・ウイメンズともに手がけている。www.auralee.jp
KA WA KEY
快楽主義、性差流動性、ソフトなマスキュリニティが、ロンドンベースのKAWAKEYが追求するテーマだ。このブランドは、2人のクリエイターによるコラボレーションにより作られている。韓国生まれのKaWaKey Chow(カ・ワ・ケイ・チョウ)は王立美術院卒で、香港ヤングデザインタレント賞(YDTA)で優勝し、H&Mデザインアワードのファイナリストに選考された経歴を持つ、ブランドのデザイン担当だ。一方、フィンランド人アーティストのジャーノ・レッパネンは、ケイのデザインを詩的なビジュアルや映像、パフォーマンスで表現している。KAWAKEYは、伝統的なテキスタイル技術に新たな意味を与え、日常着としてのストリートウェアへ再加工している。デニムジャケット、ニットウェア、パーカーが、独特な職人技術が光るテクスチャーや素材を使って作られている。フットウェアブランドのUndergroundやバッグのイーストパックとのコラボレーションも行なっている。パリのパレ・ド・トーキョーでの『Double Je』展で披露されたファーストコレクション以来、KAWAKEYはパリ、ロンドン、NYでショーを行なっている。The Alphabetショールームが販売の窓口を務め、現在の取り扱い店は、オープニングセレモニー(米国)、Vervと50M(英国)、WUT(東京)、Worksout(韓国)など。www.kawakey.com
GMBH
ベルリンの伝説的なクラブカルチャーから生まれたGmbH(ドイツ語で有限会社の意味)は、デザイナーのセルハト・イシックと写真家のベンヤミン・アレキサンダー・フーセビューが2016年にベルリンでスタートしたブランドだ。デュオが持つマルチカルチャーなバックグラウンド、スポーツウェアとストリートカルチャーを着想源に、ベルリンテクノシーンのエネルギーと精神をコレクションに昇華している。タイトなジャージートップ、PVC素材のパンツ、バルキーなレザージャケットは主に、ミラノのハイエンドな工場から調達したデッドストックや、型破りな素材から作られている。2019年春夏以降、ブランドはウィメンズとメンズの両方を展開。2019年秋冬のショーは、銀河への逃避行の物語をフューチャリスティックなシルエットで表現し、ウエストがすっきりとしたコートやジャケット、ダウンのフーディー、ワックスペイントしたジャケット、タイトなグレーのジャージードレスやニットのトップス、ミリタリージャケット、タイダイのデニム、スポーティーなジャンプスーツなどが含まれた。また、特許取得済みの高光沢素材を使用した、シグネチャーアイテムであるトラウザーも、ブラック、ネイビー、グレーで登場し、シャンパンベージュの差し色が光っていた。GmbHの取り扱い店は、ドーバーストリートマーケット、Browns、Printemps、SSENSE、バーニーズ、オープニングセレモニーなど。www.gmbhgmbh.eu