クリーン・ビューティーレポート
リップスティックからデオドラントまで。100%天然でクルーエルティーフリー(動物実験を行なわない)な美容習慣を求めて日々努力する、意識の高い消費者にとって、クリーンなコスメが今マストハブだ。ここにブランドやその特性について紹介しよう。
星の数ほどあるビューティーブランドの中で、本当に「クリーン」な商品を見分ける簡単な方法がある。天然成分の割合が95〜100%であること。また、石油化学製品が不使用または5%以下であることや、GMO(遺伝子組み替え成分)フリーであることなども重要な要素として挙げられる。もちろん、天然成分が有機栽培であれば一番だ。なぜなら、それらの成分は通常、動物実験を行なわないからだ。
クリーン・ビューティーのパイオニアとして、ヴェレダやDr.ハウシュカの右に出るものはいないが、クリーン・ビューティー業界で国際的に台頭してきた新進ブランドも知っておこう。アイスランド発のSkyn Icelandは、自国の天然資源をインスピレーションに、ミネラル成分が豊富な水、酸化防止力のあるベリー類、鎮静効果のある海藻などが原料に使用。安定力、栄養力、滋養力がある製品を作り出した。アメリカでセレブに人気のジョシュローズブルックの、スキンケアとヘアケアの製品は、植物ベースの製法で、業界トップの植物化学や植物学者で構成されるチームが開発を手がけている。すべての植物成分は100%オーガニックで、認証済みのものか野生の環境で採取されたものを使用している。インドが発祥の地である、カーマアーユルヴェーダは、最も高級なアーユルヴェーダのケアラインの一つを提供している。一方、Savane(サヴァーン)は、オーガニックのアフリカ産オイルの力を借りて生まれた商品だ。ヘアケア商品ならば、Flow Kosmetiikka。ユーカリプタスなどの天然成分で作られたシャンプーなどを提案している。次は、メイクアップ商品だ。Hiro Cosmetics の天然ヴィーガンマスカラや、ヴィーガンの化粧用ブラシで有名なオーストラリアのオーガニック・ヴィーガン認証のブランド、Inikaのコスメを思い出す人もいるだろう。または、LuisaViaRomaなどでも展開されている、Kjaer Weis(ケアーウィス)は、パフォーマンス力の高い持続可能なコスメで、パラベン、シリコン、石油化学成分を含む乳化剤、合成香料などを一切使用していない。Natural Deodorant Co.が提案するデオドラント、Clean Deodorant Balmも注目したい。抗菌作用のあるマグネシウムと重曹(防臭効果)、さらに肌に栄養を与えるココナッツオイルとシアバターを配合した賢い成分が特徴だ。
自分のショップで「クリーン・ビューティー」コーナーの商品を選ぶ際、それぞれの企業が掲げるコミットメントや認定書の内容を注意深く確認するのは大切だ(通常、これらの情報は企業ウェブサイトに掲載されている)。COSMOS、BDIH、Cosmebio、Ecocert、AIAB、Natrue、Soil Association、Certech、USDA、NSF、Organic Cosmeticなどの、有機系や自然派の認定基準に目を向けよう。また、クルーエルティーフリー(Cruelty Free)やヴィーガン(Vegan)、リーピングバニー(Leaping Bunny)のような表記は、動物実験を行なっていないことの証明でもある。時間のかかることだが、それぞれの認証が意味する内容を正確にチェックすることは大切だ。店内の商品ラインナップに真摯な姿勢を与えられるだけでなく、顧客の質問に答えられる知識も得ることができるからだ。