TECHNOFOLK
メンズウェアトレンド
モダンな遊牧民。これはメンズウェアコレクションの登場人物であり、その人物は身軽な旅人だ。服には様々な道具を入れることが出来るコンパートメントがデザインとして施されており、素材は高品質で、保温性を高めるための余分なレイヤーを必要としない。まさに、「Technofolk」の時代が到来したのだ!マルセロ・ブロン・カウンティ・オブ・ミランは、この文字をTシャツにプリントし、2020年春夏コレクションのキーワードにしながら、ブランドの特色でもあるパッチやジャカードのようなハイテク素材と工芸要素の融合を反映していた。とはいえ、この傾向は他のメンズウェアのラインにおいても当てはまる。
このようなムードはエトロのコレクションにおいても見られた。キーン・エトロは、様々なカルチャーによるインスピレーションとともに、洗練された素材とゆったりしたシルエットでブランドの持つ旅心溢れるDNAを謳っている。トライバルモチーフが施された着心地のよいポンチョやボンバージャケットに、素朴さと極上の快適さを持ち合わせた伸縮性のあるカフスのパンツを提案。マルニでは、スーツやカモフラージュに表現したトロピカルな要素を通して、都会とエスニックなムードを組み合わせながらノマドというテーマを解釈をしていた。一方、ロエベのカフタンには、地元の職人技が明白にみて取れた。使用しているコットンはバングラデシュの手工品、デニムは日本から、ほかの素材の刺繍は西アフリカの国、ブルキナ・ファソで施されている。
ジュン・ジーのスーツには機能的なポケットが備わり、ハイテクなアノラックとジャケットのシルエットは、ポンチョを彷彿とさせた。ベルルッティでは、民族調の色合いと懐かしさを感じさせる絞り染めプリントに、スポーティなスタイルとインテリジェントな素材の組み合わせ、ホワイトマウンテニアリングでも同じく、エクストリームスポーツからヒントを得て、機能的なディテールに様々なグラフィックやパターンのレイヤーを合わせたスタイリングを披露した。アディダスとのコラボレーションで制作されたゴアテックスの素材やスニーカーは、技術的でありつつもノマド的なムードを提案している。