メンズウェア注目のブランド
ブランド
DEEPTI
Deeptiは、熟練の職人技を土台にした「インダストリアル」の美学をブランドのアイデンティティとして明確に打ち出している。デザイナーのディープティ・バースは、高級な価格設定で年間のトータルルックのコレクションを発表している。細部までこだわったテーラリング、サルトリアルなディテール、カットアウェイの襟、色調を考えたステッチ、胸当て付きのパネリングの仕立てなど、ミニマリズムに通じる興味深いスタイルが特徴だ。素材はデザインの核で、酸化したシルバーのコーティングや、微妙に「風雨に晒されたような」仕上げなど、インダストリアルな都会らしさを運び込んでくれる。ダークな色使い、意図的に施した切り裂き加工、アシメトリーと細身のカットの組み合わせなどを通して、破壊的な要素を表現している。バースがまだセントマーティンズで博士号取得のための在学時、彼女の初期の作品がロンドンのサヴィル・ロウで売られていたことは別段驚くことではないし、2005年の卒業の際は、彼女はキャロル クリスチャン ポエルで働いていた。ブランドのショップリストには、NYのAtelier、ウィーンのチェギニ、東京のLift、フィレンツェのPNP、上海のEth0s、パリのレクレルール、L AのH.ロレンツォなど、国際的で豪華な面々が含まれている。www.deepti.de
S.R.STUDIO.LA.CA.
S.R.Studio.LA.CA.は、アメリカの現代アーティスト、スターリング・ルビーによるレディ・トゥ・ウェアとアクセサリーのコレクションだ。6月のピッティ・ウオモで飾ったデビューショーでは、様々な素材の実験や、最近カルバン・クラインとコラボレーションで注目を集めたラフ・シモンズとの仕事からの強い影響が見られた。シャーマニズムを彷彿とさせる砂漠の空気とテクノなストリートウェアの感覚が吹き込まれたそのコレクションには、グリーンやネオンピンクに過度に染められたケミカルウォッシュやストーンウォッシュ加工のデニム、オーバーサイズのパッチワーク・ポンチョ、フルイドエメラルドやバーントオレンジのシルク、ざっくりとした手編みのケーブル・ニット、毒々しいグリーンのタータンチェックやゴム製のミリタリーブーツなどが登場した。ルビーのシグネチャーである、アシッドカラーのオーロラベールや飛び散ったペイントは、服をパワフルでダイナミックなアート作品に昇華させる。コレクションはいくつかのラインに分けられている。限定アイテムの「ED.50」、ルビーのスタジオによって手作業で制作されている「SOTO」、そしてルビーによるデザインの一点ものの「UNIQUE」だ。これはシーズンを問わない「今見て、今買う」のラインで、ルビーのウェブサイトおよび一部をSSENSEで購入することができる。srstudio.com
NASHE
エロティシズム、ロシアンバスと無垢の概念。これらはモスクワ発の官能的なメンズウェアブランド、Nashe(Наше)による2020年春夏コレクションの鍵となるトピックだ。ティムール・カトコフとオルガ・チェリャポワによるこのブランドは、ロシア語で性別不問の「我ら」を意味しており、性別の区別のない未来とそのコミュニティへ向けた愛というビジョンを打ち出している。また、ファッション業界の不健康なペースと社会的不公平も、デザイナーが強い関心を持つテーマだ。生地の消費量削減を目指して、素材はデッドストックのみ未使用し、水の使用量も管理しているほか、職人達との関係を育み、国内の少量生産業をサポートしている。2020年春夏シーズンでは、「花嫁」と「花婿」という象徴とそれらにまつわる文化的な神話からインスピレーションを引き出した。今後のコレクションでは、「増加する性同一性と男性コミュニティ内での偏見に焦点を当てる」と、デザイナーはコメントする。現在、Dear Progressのショウルームが販売窓口を担当している。www.instagram.com/_ _ _ _ _ _nashe