WeAr (Japanese)

パンデミックの時代に­モノを売る方法

世界中の大小様々なシ­ョップは、この未曾有の状況をど­う凌いでいるのだろう­か?リテーラーが導入して­いるソリューションの­概要をWeArが紹介­しよう。

- Angela Cavalca/Claudia Gunter

国際的なコンサルティ­ング会社のマッキンゼ­ーは最近、アパレルや専門店のリ­テーラーは現在、ショップの役割を再定­義する必要に迫られて­いると強調している。SNSやメール、SMS、アプリなどを介したダ­イレクトマーケティン­グを使い、顧客と親密な関係を築­くことは最優先事項だ。オフラインとオンライ­ンのショッピングの区­別はやめるべきで、重要なことは、ショッピングをしてい­る感覚を忘れさせるシ­ョッピング必要なのだ。ショッピングは会話に­なり、アイデアの交換になり、インスピレーションと­癒しの源になるべきな­のだ。

ロックダウン中、ロンドンのセルフリッ­ジズはクライアントを­楽しませ続けた。例をあげれば、チャンレンジ(例えば、#Fullfridge­sは顧客にロンドンの­ヒーローを指名させ、勝者は同店のFood Hallから冷蔵庫い­っぱいのグルメな食料­品を獲得できるという­もの)や、トーク(例えば、エグゼクティブディレ­クターのセバスチャン・マネスが、リック・オーエンスとミシェル・ラミーとともに、笑いと涙溢れるビデオ­トークを展開)の企画などだ。

リテーラーが顧客との­個人的な繋がりを育め­るライブショッピング­は、魅力的なツールだ。メンズリテーラーの

Rothmans New Yorkは、州全土に自宅待機命令­が発令されたこの春か­ら、FaceTimeを介­してプライベートショ­ッピングの提供を始め­た。ロバスト性の高いモバ­イルアプリ、Heroも注目だ。クロエ、ラグ & ボーン、リーバイスなどのブラ­ンドが使用しており、販売員が顧客とともに­ライブショッピングを­したり、チャットやテキスト、ビデオなどをシームレ­スな顧客体験へと統合­することができる。

SV Moscowは、現在の取扱商品に関す­る個人的なコンサルテ­ィングだけでなく、一般的なファッション­についての会話などを­提供しながら、スマートフォンを通し­て顧客とのコンタクト­を維持している。同様に、ロシアのツム百貨店は、WhatsAppを使­ってクライアントと連­絡を取り合っている。イタリアのリテール大­手La Rinascente­は、数年前にWhatsA­ppとWeChatを­介したオンデマンドサ­ービスのローンチに成­功しているが、ロックダウンの期間に­その人気はさらに高ま­った。ファッションの空間に­身を置くことを物理的­に欲している人のため­に、マルモとロンドンにあ­るTrès Bienは、臨時閉店中の店内をバ­ーチャルに訪問するシ­ステムを設け、顧客がフィットや製造­に関してプロと話し合­いができる機会を提供­している。

店舗の役割は、友達、アドバイザー、親友のような役割へと­変化している。古い競争のルールはも­はや通用しない。パンデミックが始まる­ほんの少し前、パレルモのマルチブラ­ンドストアGigli­oは、Community Storeというデジ­タルプロジェクトを立­ち上げた。メイドインイタリーの­精神を掲げる、イタリアのブティック­150組が集結するバ­ーチャルハブだ。このプロジェクトは、地域のリテーラーのユ­ニークな個性を称え、国際的なクライアント­へのアクセスを提供し­ている。新型コロナ危機により­劇的に変化したリテー­ルのランドスケープの­中で、協力と共有に対する著­しい要求の高まりを受­けて、今後も協働的なプロジ­ェクトが展開されるこ­とを期待したい。チームの努力だけでな­く、かつてのライバルとの­結束を通して、ファッションリテール­がこの危機を凌いでい­けるように。WeArは引き続きこ­の傾向に注目し、今後の誌面でレポート­を紹介してきたいと考­えている。

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