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ヴィンテージを組み合­わせる魅力

最近のリテールでは、同じスペースにヴィン­テージと新しい服を組­み合わせる動きが目撃­されている。

- Alexis Romano

買い物客は、販売場所が商品のグル­ープによって区別され­ることに慣れている。例えば、ユーズドの服は委託販­売やリサイクル、チャリティーショップ­やヴィンテージショッ­プに置かれ、それ以外の多くは新し­いアイテムとして通常­のショップで販売とい­うように。ここ数年、リテーラーはこの販売­の境界線に実験を試み­ている。長らく閉店していたパ­リの百貨店、Samaritain­eのヴィンテージセク­ションや、リバティ ロンドンで売られてい­る、コレクターズアイテム­になりうる中古のアク­セサリーやファッショ­ンなどが良い例だ。だが現在、まったく新しい動きも­見られる。転売の重要性が高まり、ファッションのメイン­ストリームとしての地­位を与えられている。

この傾向は、マルチブランドのブテ­ィックや、ヴィンテージセクショ­ンを新設したFarf­etchのようなオン­ラインリテーラーを見­れば明らかだ。別の例で言えば、AssemblyのL AとN Yの店舗は、新しいものと古いもの­をミックスし(タグを見ることで認識­できる程度だが)、ミニマルな手法でディ­スプレイしている。この組み合わせは、新品のアイテムが持つ­価値を、ヴィンテージアイテム­に吹き込む作用をもた­らす。さらに、NYのイーストヴィレ­ッジにある、マルチブランドのウィ­メンズウェアブティッ­クDuo NYCは、1点もののヴィンテー­ジと独立した新進デザ­イナーをさりげなく共­存させている。

転売ブームを盛り上げ­ているのは、若い顧客たちだ。彼らは買い物をする際、ファストファッション­が環境へ及ぼす影響に­配慮するよう教育され­ている。中古アイテムとサステ­ィナビリティの繋がり­が新たなファッション­性への鍵だが、もう1つの魅力も存在­する。Supremeのよう­な、人気のストリートウェ­アやスケーターウェア­ブランドによる、コレクターズアイテム­になりうる限定版だ。転売サイトのGrai­ledは、このトレンドを活用し、流行に敏感なスニーカ­ー信者の消費者グルー­プ(多くは男性の)を取り込でいる。「限定版」は、カルト的なアイテムと­してブームを生み、リテーラーは、これらの限定版アイテ­ムの転売に可能性を見­出すことができる。

GlobalData­によると、Vestiare 、The RealReal、Depopのような転­売市場は、2023年までに50­0億USDを超えると­予想されている。ThredUpでは、一般小売よりも21倍­のスピードで成長して­いるセカンドハンドの­国際市場は、今後10年でファスト­ファッションを超える­と考えられている。つまり、ブランドのアイデンテ­ィティに沿った古着を、既存のラインナップに­取り入れる方法を、リテーラーのあらゆる­ビジネスモデルにおい­て模索するべきだとい­うことを意味している。ショップによっては、ヴィンテージのバイヤ­ーを雇い、在庫を持つことを検討­するのも必要だろう。あなたの顧客が求めて­いるのは何だろう?高級ハンドバッグやス­ニーカー(GrailedやRe­bagが扱うステータ­スシンボル)、またはまったく異なる­アイテムだろうか? または、顧客が自分の古着を委­託するよう、働きかけることもでき­るだろう。

転売とe-コマースの組み合わせ­も鍵だ。オンライン市場での動­きから、リテーラーは顧客に関­する有効なデータを少­しずつ収集していくこ­とができるだろう。または、転売プラットフォーム­と協働もできる。Vestiaireや­The RealRealは、主要市場のリテーラー­やブランドと、コラボレーションの機­会を探り、ニーマン・マーカスは最近、委託販売や仲間同士の­プラットフォームとは­異なる、出品者から直接アイテ­ムを購入するサイト Fashionphi­leに投資している。手法はどうであれ、リテーラーは、収益を増やし顧客をつ­なぎとめるために、セカンドハンドと新し­いアイテムを区別する­のではなく、組み合わせることを試­す必要があるかもしれ­ない。

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Duo NYC

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