温故知新:デニムの未来
環境に配慮した製造への集団意識の高まりとジェンダーレススタイルへのシフトが、今後のデニムの使い方を決定づけるだろう。
2022年春夏のDeadstock Denim予報は、ゴミ廃棄場へと運ばれる運命の素材をクリエイティブにリパーパスすること、たとえば廃棄されたデニムの服や端切れをリメイクして斬新なジーンズウェアを作ることを、ブランドに求める動きが見られるだろう。これは特に、循環ファッションを重視するジェネレーションGの消費者の目に留まるだろう。セカンドハンドやヴィンテージ、アップサイクリングした服の楽しさを知っている彼らは、社会と環境の価値を支えるクリエイティブなエコシステムに関わりたいと強く思っている。
デニムのリパーパスは、ジーンズからシャツ、ジャケットやアクセサリーまで、総合的に適応することができる。商品の改造は意識的に欠点と矛盾を目立たせるものになるだろう。古いものを新しそうに誤魔化すのではなく、古いものが生まれ変わったことを喜ぶことが狙いだ。
パッチワークへの強いこだわりは、クールなブルーのグラデーションや深い藍染めに、パーツを組み合わせるという魅力的を備え、端切れを使うという特別な個性を披露している。
ただ、新種の一般市場では、このトレンドには、パーツを組み合わせるスタイル以上のもっと全体的な意味がある。意識の高い消費者は、新しい素材を使ったレプリカではなく、再利用した素材を純粋に使用したこのスタイルだから欲しいのだ。新種の一般消費者は、スタイルの背後に隠された、より深い意味合いを求めているからだ。
シルエットは、既存のカテゴリーにとらわれないジェネレーションZのショッピング志向を反映しながら、どこかしらユーティリタリアンでジェンダーニュートラルな、ややワイドカットのリラックしたものになるだろう。
新種のデニム製品で、消費者の意識は斬新なカラートレンドへ向けられるだろう。2022年春夏のSolid Color Denim予報も、均一に施した色調とフラットなウォッシュを通して、緯糸に白糸がまったくみえない、ユーティリタリアンなデニムのルーツに注目している。チョークのような生成り、ピンク、チョコレートブラウン、ライトブルーのカラーパレットが、このカテゴリー全体を通して使われている。
シルエットは、Deadstock Denimに見られるものに同調している。より構造的な柄のヘビーからミディアムウエイトのデニムが、体にフィットしない伸縮性のあるシルエットを生み、より快適でリラックスしたデニムを求める消費者を引きつけている。
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