グラマー 2.0ウィメンズウェアトレンド
ウィメンズウェア市場ではスウェットパンツへの倦怠感が漂い、成熟したグラマーなスタイルへの復活の兆しが見られる。消費者は、キラキラとワクワクが詰まったドレスアップへのときめきを熱望しているのだ。
これにはデータの裏付けもある。Lyst Data Index(四半期ごとに消費者データ分析を提供するオンラインショッピングプラットフォーム)によると、今年の始め「sparkle(輝き)」、「sequin(スパンコール)」、「glitter(光沢)」のあるブラジャーへの検索数が137%増を記録した。一方で、「metallic(メタリック)」は43%増だった。多くの人がロックダウン後の生活を思い描き始めた3月、ラッフルやリボン(+10%)、チェーン(+18%)、装飾(+15%)などを特徴としたドレスへの検索数がピークを記録した。普通よりも「特別な」何かを求める消費者心理を示しているといえるだろう。
2021年秋冬を通して、デザイナーはこのグラマラスな欲求を満たそうと素早く反応した。ドリス ヴァン ノッテン、ヴァレンティノ、16 Arlingtonなどのコレクションでは、ルビーレッドのスパンコールやトリムなどの華やかな要素を復活させ、ROKHでは、1920年代のキャバレーと1990年代のクラブウェアの快楽主義の美学を探究。Loeweやランバンでは、「狂騒の20年代」に賛同するべく、ローウエストのシルエットや装飾的なタッセル、ステートメントのあるシャツが多く登場した。
ただ、2021年のグラマーは2019年のそれとは少し違う。買い物客は、快適さを完全に諦めたわけではないからだ。そして、両者をミックスしたいと考えている。プラダでは、ラフ・シモンズとミウッチャ・プラダが、このファッションに内在するムードに着目。「欲望や興奮、何かの高まりを感じます」とプラダはコメントする。プラダのコレクションは、快適さとオールドスクールなグラマーをひと所で掘り下げ、楽観主義のムードを漂わせた光沢に包まれたコクーンコートのようなアイテムを提案している。「狂騒の20年代」が、ついに私たちのもとへと到来したようだ。