バイイングガイド2022年春夏:意義を追求するファッションレポート
TRENDSTOPが環境への意識が高い消費者の心に響く2022年春夏の鍵となるテーマとアイテムを解説する。
数ヶ月に及ぶロックダウンの後、消費習慣は変化した。この消費者動向の転換は、ファッションの消費スタイルに新たな光を投げかけた。人々はより意味のあるスローファッションを求めており、「ニューノーマル」の中で持続可能性は非常に重要だ。
テーマ:ノマド的職人
ノマド的職人が、手仕事と職人技術への復活を目撃している。独特なトリムやテクスチャーのクオリティーとともに、人の手によるデザインが再評価を得ている。地元のコミュニティーとの共同作業を通して、より深い繋がりがデザイナーとメーカー、そして消費者の間で育まれ、商品はより深い意義や意味を帯びている。手仕事の質は向上し、フリンジの裾やバスケット織りなどの職人技術で仕上げられる。カラーパレットはサンドなどのニュートラルなもので、太陽の光を浴びたような、アーシーな色合いが含まれている。鍵となるアパレルアイテムは、「再解釈を加えたブラウスチュニック」や「アルチザンTシャツ」などで、シルエットが職人技のディテールの質を高め、考え抜かれた洗練さを感じさせる。
ニットウェア&素材:環境からのインスピレーション
ノマド的職人は、テクスチャーなど素材にも広がり、不完全な感覚を反映している。トレンドは、アーシーで素朴な、持続可能な方法で調達した軽量ヤーン、オーセンティックな素材などで特徴づけられている。天然のテキスタイルの質は、「不完全な」素晴らしい風合いがハイライトで、コットンやキャンバス、リネンなどが含まれている。オリジナルのアルチザンニットは、クロシェットや刺繍など手仕事の技術が目を引き、クラシックなスタイルに家庭的な感覚をもたらしている。まるで意図的にそうしたかのように、未完成のタッセルやフリンジ、切りっぱなしの裾がヒッピーのエッセンスを加える。
プリント&グラフィック:自然耽美主義
消費者のコンセプト「自然耽美主義」は、鍵となるプリントのストーリーの一つ「エコボタニカル」で満たされている。ファッションからアート、建築やデザインに至るまで、あらゆるものに持続可能性が浸透している。自然美にインスピレーションを得た、見事なファウンド・オブジェクトは繊細さと力強さの両方を彷彿とさせる芸術形態へと昇華される。消えてしまいそうな軽い素材や、さりげない自然のプリントが、地球にそっと触れたいという欲求を表現する。インスピレーションはドライフラワーや木の葉の繊細な構成物から引き出された。
カラー:楽観主義&寿命
明るい日の到来を前に、2022年春夏のカラーパレットは、寿命を核とする楽観主義への思考の変化を反映する。消費者は、化学薬品の使用量がより多い鮮やかで明るい色よりも、環境を配慮した控えめな色合いを好む。鍵となる色合いの一つは、「楽観主義でありながらも慎重さを湛えたイエロー」。着こなしが簡単で、優しく自然な色調だ。また、「ホテルチョコレート」は、春夏のカラーパレットを再定義する濃厚なアーシーブラウン。この深い色合いは、職人技のディテールと組み合わされる時、予想を裏切る深みと奥行きを加える。この濃厚なブラウンは、通常のダークカラーの色合いほど有害ではない染料を使用している。カカオ植物の色彩が、地球と私たちを繋ぐ。