第三国市場で共同起業を
企業の持ち味生かし相互補完
外輸出能力から見れば、少なからぬ分
野では依然として取るに足らない量
だ。こうした実情は日本のメディア、
企業には理解し難いだろう。マクロ
とミクロの関係を分析するのも困難
かもしれない。日本の物差しで測って
が分かっておらず、日本企業は好奇心に満ちた目で見
守っている。日本企業の精細なマネジ
メント能力、商品製造技術と中国のス
タートアップ企業との提携ができる
か否か、これは中日の共同研究に値す
る課題である。
も、一つの結論を
出すのは難しい
かもしれない。日
本にはさまざま
な中国経済の分
析結果があるが、
大部分は今後の
中国経済の成長
とフィットして
いない。崩壊論、
脅威論などの結
論ありきの記事
は別としても、確
かに中国経済の
発展はかなり独
特であり、分析す
るには困難が伴
うかもしれない。
しかし、中国の
スタートアップ
企業は以前の鉄
鋼、セメント、ガ
ラス企業とは違
って、今後、どの
方向に向かうの
か、中国企業自身
日本製造業と中国IT企業
昨年実現した中日経済関係の好転
を基礎に、今年は中日企業の共同起業
に大きな可能性が見込まれている。
特に関心を払う価値があるのは、日
本の製造業と中国のIT企業の共同
起業である。昨年には日立とテンセン
ト、パナソニックと百度(バイドゥ)、
ソニーとバイドゥがすでに戦略的パ
ートナー関係になり、日本の製造業と
中国のIT企業が急速に結び付き始
めたことを実感させた。今年はさらに
多くの日本の製造業と阿里巴巴(アリ
ババ)、京東( Jd.com)などとの提携
関係が生まれるだろう。
もう一つは恐らく、第三国市場での
共同起業だろう。中日両国は昨年すで
に第三国市場における提携に関連す
る会議を開き、今年には会議で調印し
た各種プロジェクトを実行に移す段
階に入る。日本には第三国市場におけ
る調査研究能力、現地政府との交渉経
験、プロジェクト管理における独自の
持ち味があり、中国には大量の資金が
あり技術者がいるため、プロジェクト
を急速に完了することができる。
中日相互補完、共同起業は両国に利
益をもたらすだけでなく、さらにアジ
アと世界の他の国にも恩恵を与える。
筆者は今年、中日両国が共に相手に対
する見方と評価を刷新し、新しい一歩
を踏み出すと信じている。
昨年は、中日経済関係に目を見張る
変化が起きた。この2019年につい
て、自信を持って言えるのは、中日関
係はさらに好転し、その温度はさらに
上がり続けるということだ。
中日経済はそれぞれ異なる発展段
階にあり、互いに重なり合っている部
分があるが、多くの部分では相互補完
的だ。これまで長期にわたって、日本
メディアの多くは中日経済関係の重
なり合った部分の競争を強調し、相互
補完の重要性をなおざりにしてきた。
昨年に、李克強国務院総理が訪日した
のに続いて、安倍晋三首相が中国を公
式訪問したことで、メディアはやっと
中日経済の相互補完の部分に着目し
始めた。これは好ましい傾向であり、
今年はさらにスポットライトを当て
るべきだろう。
「失われた」に偏重した報道
日本は経済大国であり、また政治大
国、軍事大国になりたいと努力してい
ると思うが、今のところはまず経済大
国だ。この経済大国にどのような特徴
があり、今後の発展はどの方向に向か
うのか、当然のことながら、中国は大
いに関心を持っている。
過去数年間の中国メディアの報道を
見ると、日本の「失われた10年」とか「失
われた20年」を強調する記事がかなり
多いことに気が付くはずだ。中国メデ
ィアは日本で現地取材する機会に恵ま
れているとは言えず、主に日本メディ
アの報道から関連記事を抄訳している
ケースが多い。しかし、「失われた」に
偏重した報道は、日本を訪問している
年間700万人から800万人の中国
人観光客が日本で見た情景と大きな相
違がある。「失われた」時代を経た日本
の庶民生活は非常に安定して穏やかで
あり、物価、住宅価格は多くのところ
で北京、上海より安く、このような「失
われた」日本は中国民衆には非常にう
らやましく見える。
中国の企業家の日本に対する見方
も中国メディア報道と大きな相違が
ある。少なからぬ企業家は日本を訪れ
て実地調査し、日本による原材料の
研究開発、基礎部品の製造技術におい
て、その多くは中国企業が数年以内に
追い付くのは困難であることに気付
く。これらの原材料、基礎部品は企業
経営を安定させ、数年以内の利益を保
証するが、多くの中国企業は組み立て
をメインにしており、今後数年の固定
利益を保証するのは非常に困難だか
らだ。彼らは日本企業の研究開発、製
造技術に感服している。
庶民はうらやましがり、企業家は感
服している――中日両国の政治関係
が好転している昨今、これは急速に日
本に対する再評価になりつつある。一
方、日本側の対中イメージも大きく好
転し始めている。
スタートアップ企業に関心
過去10年間を振り返ると、日本のメ
ディアには中国経済の崩壊を予想す
る記事がかなり多数見受けられ、同時
に中国経済の発展は脅威であるとの
評論も多く、中日相互補完、共同起業
の観点は少ない。崩壊論、脅威論では、
2 0 1 0年以後の中国の通信技術( I
T )産業の急速な発展、モバイル決済、
シェアリング・エコノミー、新エネル
ギー自動車の発展が日本にどれだけ
の影響をもたらすのか、正確な説明は
不可能だろう。
昨年、筆者はほとんど毎月、日本を
訪問したが、そのたびに、すぐ新聞を
買って、テレビを見た。最近感じてい
る、以前との最大の相違は、日本のメ
ディアが中国のスタートアップ企業
を重視し始め、大量の中国の技術革新
に関する情報が報道され、その中には
筆者が知らない内容も少なくない。以
前は、中国の庶民はいかに愚かで、役
人はいかに汚職や腐敗まみれで、空気
はいかに汚染されているか、などが報
道されていたが、現在はまるで違って
いる。
経済面において、中国企業の生産能
力は往々にして大きく、製品の生産量
は日本企業の数十倍、数百倍で、これ
は確かに日本メディアに脅威と感じ
させるかもしれない。しかし、仮に数
百倍だとしても、中国市場の規模、対