おじいちゃんレンタル
定年後の私の最大の楽しみは孫と楽しく遊ぶこと
で、孫のためなら何でもしたし、彼の「牛」にもなっ
た。この日曜日、小学校に通う孫が私に一つの任務
を課した。交差点の横断歩道の脇に立ち、孫の同級
生が私が道路を渡るのに手を貸すと言ったら、その
まま手を引かせて渡ってほしい、というものだった。
良いだろう。孫を喜ばせるためなら、子どもの「思
いやり行動」を助けるためなら、私は道端のほこり
を吸っても構わない。
車が行き交う交差点にたどり着いた時、足を休め
る暇もなく、2人の赤いネッカチーフを巻いた子ど
もが私の左右に現れ、「おじいちゃん、道路を渡る
の?ここは車が多くて危ないから、僕たちが手を
引いてあげるよ」と言った。私の答えを待たず、この
ほほ笑みを浮かべて奉仕する2人の子どもは、待ち
きれないとばかりに私の手を引いて道路の向こう側
に連れて行った。
子どもは引いていた手をはずすと、敬礼をして「お
じいちゃん、ありがとうございました。さような ら!」と言って駆け去った。私が「どうしてお礼を
いぶか言うんだ」と訝しく思っていると、また2人の新顔
のネッカチーフの子どもがやってきて、同じような
ほほ笑みを浮かべて、甘い言葉に加えてこの上なく
情熱のこもった行動で、あっという間に私を元の位
置に引き戻した。横断歩道のそちらにも早々に待つ
人がいたことを、どうして私が知っていようか。
私はとうとう我慢できなくなり、私の手を引こう
とした最後の一組の隊員に、「お二方にお願いしたい
のだが、この年寄りを見逃してくれないかな。私は
を呼ぶのを手伝うよ」
滔紅単=文
この道を30分間に8回も往復したんだよ!」と言っ
た。2人の子どもは困って、「じゃあ、僕たちはどんな
良い行いをすればいいのかな?」と言った。「あっ、そ
うだ、おじいさんは疲れているだろうから、タクシー
私はタクシーに乗ってそそくさと家に逃げ帰った。
もちろん料金は自分持ちだ。孫は私にどうだったか
と聞いた。私は本当に運動になったよと答えた。孫は
笑って、「おじいちゃん、お疲れ様でした。アルバイト
代をあげるね」と言った。孫がお金を取り出している
時、ちょうど彼の父がそれを見つけ、大いに怒り、「こ
の悪ガキ、どこからお金を盗んだ!」と言った。孫は
「盗んだんじゃないよ、これはちゃんとしたお金だよ。
学校で道徳とマナーの勉強があって、その中の一つの
宿題がお年寄りに親切にすることで、先生が今週は少
なくとも1回はお年寄りに良い行いをするようにと
みんなに言ったんだ。それを難しいと思った同級生が
多くて、僕は彼らにおじいちゃんを貸してくれと頼ま
れ、道路を1回渡るごとに1元くれるって話になって
… …」と言った。
息子はこれを聞くと、「馬鹿者、おじいちゃんを
何だと思っているんだ。レンタルして使わせると
は」と言い、お仕置きしようとした。孫は私の後ろ
に慌てて隠れ、まったく悪びれる様子もなく、「僕
だって、タダでやってもらったわけじゃないよ、
おじいちゃんは8回道路を往復して16元もうけた
から、おじいちゃんと山分けするつもりだったん
だ」と言った。