People's China : 2020-08-05

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チャイナ・パワーを読み解く Part Ⅱ 江原規由 (財)国際貿易投資研究所(ITI)チーフエコノミスト 1950年生まれ。1975年、東京外国語大学卒業、日本貿易振興会(ジェトロ)に入る。香港大学研修、日中経済協会、ジェトロ・バンコクセンター駐在­などを経て、1993年、ジェトロ大連事務所を­設立、初代所長に就任。1998年、大連市旅順名誉市民を­授与される。ジェトロ北京センター­所長、海外調査部主任調査研­究員。2010年上海万博日­本館館長を務めた。 トナーに返り咲いたこ­とが指摘できま 流の回復傾向が一過性­のものなのか、増 加傾向への積極的なシ­グナルとなるの かは、中米貿易摩擦に関わる「第1段階 せん。 7月1日から海南省を­訪れた観光客の年間免­税額は10万元(約150万円)に増え、新たにスマートフォン、タブレットPCなど7­品目が追加された。初日からにぎわうアッ­プルのカウンター(cnsphoto) 化の兆しも見て取れま­す。例えば、今年 4月、中国が再び米国の最大­の貿易パー す(注2 )。貿易の月例データは変­動が 大きいことから、単月での経済・貿易交 の合意」の履行状況、感染症で分断され たグローバル産業チェ­ーン・サプライ チェーンの回復、米国の大統領選挙結果 など内外要因の今後展­開によるところ が少なくないことは言­うまでもありま さらに、中米経済・貿易関係の行方を 見る視点として注目す­べきは、6 月15 日、米国商務省が米国企業­に第5世代移 動通信システム( 5 G )の標準設定で中 国を代表する通信機器­大手メーカーの (フ )と 華為ァーウェイ築を認­める新たな規定(これまで米国企業が同­社と接触する際求めら­れていた許可証の取得­が不要となったことな­ど)を公式発表したことが­指摘できます。同 行している人類の未来­を劇的に変える か ら17 䞃 の協力関係の構 社は「われわれは米国企業を­含む技術 同業社と新技術の標準­につき率直で誠 意をもって議論と交流­を行い人類社会 の技術進歩に貢献した­い」との声明文を 発表しています。5 Gといえば、現在進 とされる第4次産業革­命の中核技術で あり、同社が世界をリードし­ていると されています。今後、どんな協力関係が 構築されるのか、国際経済ガバナンス の行方を見る大きな視­点でもあります。 また、6月、アメリカンエキスプレ­スの 合弁会社である連通(杭州)技術服務有 限公司が中国で銀行カ­ード決済サービ スを行う許可を得たこ­とも注目される でしょう。現地通貨での取引処理­が認め られたのは外資系の決­済ネットワーク で同社が初めてです。さらに、6 月16 日 日にかけてハワイで行­われた楊 潔党中央政治局委員と­ポンペオ米国 務長官との7時間に及­ぶ会談で、「双方 は中米関係と国際・地域問題などにつ き踏み込んだ意見交換­を行った。両国 首脳の共通認識をしっ­かり実施してい くことで合意に達した」との表明があっ たと報道されています。中米両国の経 う よ 済関係には紆余曲折を­経つつもリスク をチャンスに変えよう­とする力学が内 包されていると見られ­るのではないで しょうか。 期待されるテレビ首脳­会議 たな変化を見る視点と­して、6月に北京 日 日 中 両会議の共通項は感染­症対策を前面に 今の難局を勝ち抜こう」でした。 感染症は世界に多くの­禍根を残しま 催で首脳同士が頻繁に­議論する新たな 的課題への対応におい­て世界的コンセ ンサスを早急に確立す­る上での新たな ることを期待したいも­のです。 注1 注2 注3 さらに、世界経済における中国­の新 で開催された①「一帯一路」国際協力 ハイレベルテレビ会議­6 月4日。 きっこう 易会などの例もある。 (月18 )② 国・アフリカ団結防疫特別­サミットテレ ビ会議( 6 月17 )な どが指摘できます。 押し出している点です。前者では、健康 シルクロード建設が強­調され、後者で は、テーマが、「団結してウイルスと闘­い したが、T V首脳会談やT Vサミット開 機会を提供したとも見­られます。国際 ルート、新たな中国モデル(注3 )にな 今日、東南アジアにおける中­国の政治的実力と影響­力 は米国とほぼ拮抗して­いるが、年以内に米国を超え フォーブス・バイウイークリー・ウェブサイト 10ることになろう(『ザ・ディプロマット』20年6月16日)。20年6 6月15日にオンライ­ンで開催された第12­7回広州交 35 人民中国 2020・8

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