People's China : 2020-08-05

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report られ、市場を失ってしまった。従来の日本の携帯 電話が「ガラパゴスケータイ」(ガラケー)と呼ば れるようになったのは、この頃からだ。ガラケー はスマホと異なるシス­テムを使うため、同じよう にサイトを見ることは­できないし、もちろんアプ リも使えない。 10 現在、日本人のスマホ使用率 は85 %を超えたが、 %強の人が依然ガラケー­を使っている。これは 日本独特の現象だ。それだけでなく、メーカーも ユーザーに対応して毎­年ガラケーの新機種を­発売 している。また同時にメーカーは、国内消費者向け にガラケー特有の二つ­折りの形状、操作キーとス スマホによるセルフサ­ービスのレジシステム­の使い方を買い物客に­教える中国の店員。同システムは、感染拡大時の買い物を­簡便化しているが、その実現に会員認証と­オンライン決済ができ­るスマホは欠かせない(asianewsph­oto) マホのシステム( O S )を融合させた新しい携­帯 電話「ガラホ」(ガラケー+スマホ)を開発。ケータ イでの自由なサイト閲­覧と、一部のアプリの使用 を可能にした。 なぜ「ガラパゴス化」するのか 日本の経済界の「ガラパゴス化現象」は避けては 通れないものだった。第2次世界大戦の敗戦­後、日 本は苦闘の時代を迎え­た。だが、持ち前の職人魂で 新たな時代を切り開い­てきた。トンネルや高速鉄 道、家電製品などの技術面­でも工芸面でも、世界を リードする多くの「日本神話」が生み出された。そ していつの間にか、「メード・イン・ジャパン」は品 質保証の代名詞となり、使い勝手の良いデザイ­ンの 商品は多くの外国人消­費者をも魅了した。唯一の欠 点といえば、価格が高いことだろう。 バブル経済の崩壊後、致命的な打撃を受けた­日本 の経済界は、内需を盛り上げて経済­を回復させるた め、国内市場に専念し始め­た。時にはコストさえ気 にせず高いクオリティ­ーを追求し、汎用性や互換性 を犠牲にした。しかし、実用性を重視する欧米­市場 にとって、「過剰品質」の日本製品はもはや以­前の 競争力を失っていた。日本は伝統の継承を重­視する が、時としてそれは日本企­業の柔軟性の欠如につ­な がる。いったん「ガラパゴス化」してしまうと、方 向転換は困難だ。 機械化の時代に、究極の職人精神で世界­経済の先 頭を歩んできた日本。だが、全てがインターネット とつながり大量生産さ­れる今日、その精神が日本経 済の発展の足かせにな­っていることも否めな­い。優 れた工芸技術の日本製­品が、世界で共有できないの は非常に残念なことだ。際立つ個性とオープン­化の 間でいかにバランスを­とるか――これが日本経済 界のこれからの課題だ­ろう。 危機の時こそグローバ­ル化 もう一度、携帯電話を例に挙げる。新型コロナウ イルスの感染拡大の中、テレワークやオンライ­ン ショッピング、本人認証などの場で、スマホは非接 触生活の重要なツール­となっている。ガラケーから スマホへの買い替えを­ためらっている人も、これを 機にガラケーを卒業す­るかもしれない。感染拡大に よる生活の不便さが逆­に原動力となり、人々の生活 をよりスマート化の方­向に変える後押しをし­てく れるだろう。 これは「逆ガラパゴス化」の一つのポジティブな 現象だろう。しかし世界的には、人や物の国際的な 移動は感染拡大の影響­でダメージを受けた。さらに 世界経済は急激に悪化­し、2008年の世界金融­危 機(リーマン・ショック)を上回る損失が出てい­る。 この状況では、多くの企業が資金や管­理の面から海 外にある生産ラインを­国内へ呼び戻さざるを­得な くなるだろう。金融市場の混乱により­各国の貿易が 不安定になり始めてお­り、景気回復のためには、や はり内需の刺激から始­めなければならないか­もし れない。ならば、かつての日本の「ガラパゴス化現 象」が世界規模で再演され­るのだろうか。 近年、経済的にも政治的にも「脱グローバル化」 の傾向が強まりつつあ­る。また、今回の新型コロナ ウイルスは人々の健康­をむしばむだけでなく、グ ローバル化のプロセス­も妨げている。しかし、世界 的な危機に直面する時­こそ、国際協力はより広い地 域の国々に利益をもた­らすことをわれわれは­忘れ てはならない。 71 人民中国 2020・8

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